
飲食店で外国人を雇うときに気をつけたいポイント~デメリット編~

飲食業界では人手不足が慢性化しており、外国人材の採用がますます一般的になっています。
「特定技能」や「留学生の資格外活動」など、外国人が働ける制度も整ってきたことで、多くの店舗で外国人スタッフの導入が進んでいます。
ただし、雇用にあたっては「メリット」だけでなく、いくつかの「デメリット」や注意点も存在します。本コラムでは、飲食店が外国人を採用する際に考慮すべきポイントを、行政書士の視点からご紹介します。
目次
在留資格と業務内容のミスマッチに注意
まず最も大切なのが、外国人が「どの在留資格で、どんな仕事ができるのか」という点です。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」のビザでは基本的にホール業務や調理補助などの現場作業はできません。
「留学生」が働く場合は資格外活動許可が必要で、しかも週28時間までという制限があります。
これらのルールを知らずに業務を任せてしまうと、不法就労に該当し、雇用主側にも罰則が及ぶ可能性があります。
日本語の壁と接客の難しさ
飲食店では、お客様とのやりとりが日常的に発生します。注文ミスやクレーム対応では、瞬時に状況を判断して丁寧な日本語で対応する必要があります。
日本語能力試験の資格を持っていたとしても、現場で必要とされる「実践的な日本語」は一筋縄ではいきません。
敬語、早口、方言など、ネイティブでも難しい要素が多く、接客の質に差が出ることもあります。
お酒の名前など特に漢字が多いメニューは覚えるのが難しいとの声も聞かれます。
(日本人でも読むのが難しい漢字も多いですね)
定着率の課題と人材の流動性
特に留学生アルバイトなどは、学業や進路の都合で短期間で退職するケースが少なくありません。
採用しても、研修・教育にかけた時間に対して、戦力化する前に辞めてしまうという声も多く聞かれます。
また、在留資格の期限や更新の関係で、予定外に働けなくなる可能性もあるため、シフトの安定運用にも影響するリスクがあります。
文化や価値観の違いによる摩擦
日本と他国では、働き方や時間に対する意識、上下関係の捉え方などに大きな違いがあります。「お客様は神様」というような日本特有の考え方が、十分に伝わらないこともあります。
また、宗教や文化的な事情から、食事やシフトの制約が出る場合もあるため、チーム内での理解や柔軟な対応が求められます。
それでも、外国人採用には大きな可能性がある
ここまで、いくつかの課題についてご紹介しましたが、実はこれらのデメリットを上回るほどの“メリット”もたくさんあります。
たとえば、多様な人材が加わることで店舗の雰囲気が明るくなる、外国語対応ができるようになる、真面目で一生懸命な姿勢が既存スタッフに良い刺激を与えるなど、現場でのプラス効果を感じている店舗は非常に多いです。
大切なのは、「制度を正しく理解し、受け入れ体制を整えたうえで雇用する」ことです。きちんと準備さえすれば、外国人スタッフはかけがえのない戦力になります。
スターグレード行政書士法人がサポートします
スターグレード行政書士法人では、飲食業における外国人採用に関する各種サポートを行っております。ビザ申請・更新はもちろん、適法な雇用体制の構築、トラブル防止のアドバイスまで、現場の状況に合わせた柔軟な対応が可能です。
「採用したいけど手続きが不安」「何から始めていいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。外国人材の可能性を、安心して活かせるよう全力でサポートいたします。