監理団体と実習実施者が備置くべき帳簿は?(技能実習)
監理団体と実習実施者は定められた帳簿を作成し、事業所に備置かなければならないと技能実習法に定められております。
以下に、監理団体と実習実施者で備置くべき帳簿を記載致します。
なお、帳簿については技能実習が終了した日から1年間備えて置く必要がありますので、実習生の受け入れが終了してすぐ破棄するようなことが無いようにご注意下さい。
1.監理団体で備置くべき帳簿
- ① 実習監理を行う実習実施者の管理簿
・ 実習監理を行う実習実施者の名簿(最低限の記載事項は次のとおり)
ア 氏名又は名称
イ 住所
ウ 代表者の氏名
エ 法人番号
オ 役員の氏名、役職及び住所
カ 技能実習を行わせる事業所の名称、所在地、選任されている技能実習責任者
キ 技能実習責任者の氏名及び役職
ク 技能実習指導員の氏名及び役職
ケ 生活指導員の氏名及び役職
コ 常勤職員数
サ 技能実習を行わせる事業所の常勤職員の総数
シ 技能実習生の受入れ実績(国籍(国又は地域)別)
ス これまでの中途帰国した技能実習生の実績(技能実習の区分別)
セ これまでの行方不明となった技能実習生の実績(技能実習の区分別)
・ 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の履歴書(参考様式第1-4号)
・ 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の就任承諾書及び技能実習に係る誓約書(参考様式第1-5号)
・ 監理団体と実習実施者の間の実習監理に係る契約の契約書又はこれに代わる書類
- ② 実習監理に係る技能実習生の管理簿
・ 実習監理に係る技能実習生の名簿(最低限の記載事項は次のとおり)
ア 氏名
イ 国籍(国又は地域)
ウ 生年月日
エ 性別
オ 在留資格
カ 在留期間
キ 在留期間の満了日
ク 在留カード番号
ケ 所属する実習実施者
コ 外国人雇用状況届出の届出日
サ 技能実習を実施している認定計画の認定番号
シ 技能実習を実施している認定計画の認定年月日
ス 技能実習を実施している認定計画の技能実習の区分
セ 技能実習を実施している認定計画の技能実習の開始日
ソ 技能実習を実施している認定計画の技能実習の終了日
タ 技能実習を実施している認定計画の変更認定に係る事項(変更の認定年月日、変更事項)
チ 技能実習を実施している認定計画の変更届出に係る事項(変更届出年月日、変更事項)
ツ 既に終了した認定計画に基づき在留していた際の前記オからキまでの事項
テ 既に終了した認定計画に係る前記サからチまでの事項
・ 技能実習生の履歴書(参考様式第1-3号)
・ 雇用条件書及び雇用契約書(参考様式第1-10号)
- ③ 監理費に係る管理簿
・ 監理費管理簿(参考様式第4-5号)(最低限の記載事項は次のとおり)
ア 監理費を支払った団体監理型実習実施者の氏名又は名称
※ 監理費を支払う者について、個人の場合は氏名を、法人の場合は名称を
記載。なお、監理費を支払った実習実施者が複数の事業所を有するときは、
求人申込み等の主体となっている事業所の名称を記載。
イ 年月日
※ 支出が行われた年月日を記載。
ウ 監理費の種類
※ 職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費の種類ごとに記載。
エ 監理費の額
※ 支出した監理費の額を種類ごとに記載。
オ 監理費の算出の根拠
※ 監理費の算出根拠となった人件費や交通費等がわかるように記載。
カ 監理費の収支の状況
※ 管理簿の記載対象期間における監理費の徴収額及び支出額について、
職業紹介費、講習費、監査指導費及びその他諸経費の種類ごとに記載。
・ 監理費管理簿の記載内容を裏付ける資料
※ 支出事実を裏付ける書類(監査時に支出した交通費、入国後講習時に支出
した講師への謝金の領収書等がこれに含まれる。)
※ 徴収事実、監理費の算出の根拠を示す書類(請求書、領収書の写し等)
- ④ 技能実習に係る雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿(参考様式第4-6号)
・ 求人に関する事項
ア 求人者の氏名又は名称
※ 求人者が個人の場合は氏名を、法人の場合は名称を記載。求人者が複
数の事業所を有するときは、求人の申込み及び採用選考の主体となってい
る事業所の名称を記載。
イ 求人者の住所
ウ 求人に係る連絡先
※ 求人者において、求人及び採用選考に関し必要な連絡を行う際の担当者
の氏名及び連絡先電話番号等を記載。
エ 求人受付年月日
※ 求人を受け付けた年月日を記載。なお、同一の求人者から、複数の求人
を同一の日に受け付ける場合で、受付が同時でない場合は、その旨記載。
オ 求人の有効期間
※ 求人の取扱いに当たって、有効期間がある場合は、当該有効期間を記載
するとともに、有効期間が終了した都度、その旨記載。なお、有効期間につ
いては、事前に求人者に説明しておくことが必要。
カ 職業紹介の取扱状況
※ 当該求人者に求職者をあっせんした場合は、職業紹介を行った時期、求
職者の氏名又は名称、採用・不採用の別を記載(当該求人者からの求人が
複数ある場合は、求人が特定できるようにしておくことが必要。)。採用された
場合は採用年月日も記載。なお、求人者・求職者とのトラブル防止の観点か
ら、採用・不採用に至るまでの経緯を記載することも差し支えない。
・ 求職に関する事項
ア 外国の送出機関の氏名又は名称
※ 求職者を取り次ぐ外国の送出機関が個人の場合は氏名を、法人の場合は名称を記載。
イ 求職者の氏名
ウ 求職者の生年月日
※ 年齢によっては、労働基準法上、就業制限があるので留意が必要。
エ 求職者の希望職種
※ 求職者の希望する職種を記載。
オ 求職受付年月日
※ 求職を受け付けた年月日を記載。
カ 求職の有効期間
※ 求職の取扱いに当たって、有効期間がある場合は、当該有効期間を記載
するとともに、有効期間が終了した都度、その旨記載。なお、有効期間につ
いては、事前に求職者に説明しておくことが必要。
キ 職業紹介の取扱状況
※ 当該求職者に求人者をあっせんした場合は、職業紹介を行った時期、求
人者の氏名又は名称、採用・不採用の別を記載。採用された場合は採用年
月日も記載。なお、求人者・求職者とのトラブル防止の観点から、採用・不採
用に至るまでの経緯を記載することも差し支えない。
- ⑤ 技能実習の実施状況の監査に係る書類
・ 監査報告書の写し(省令様式第22 号)
※ 監査報告書のほかに、監査実施概要(参考様式第4-7号)を用いて監査を
実施した場合には当該書類を併せて保存することが望ましい。その他、技能実
習責任者・技能実習指導員からの報告内容、技能実習生との面談結果等を
記録した文書、監査の際に撮影した設備等の写真等もあれば併せて保存する
ことが望ましい。
- ⑥ 入国前講習及び入国後講習の実施状況を記録した書類
・ 入国前講習実施記録(参考様式第4-8号)
・ 入国後講習実施記録(参考様式第4-9号)
- ⑦ 訪問指導の内容を記録した書類
・ 訪問指導記録書(参考様式第4-10号)
- ⑧ 技能実習生から受けた相談の内容及び当該相談への対応を記録した書類
・ 団体監理型技能実習生からの相談対応記録書(参考様式第4-11号)(最低限の記載事項は次のとおり)
ア 相談の受付日
イ 相談をした技能実習生の氏名
ウ 相談を受け付けた者の氏名
エ 相談の内容
オ 相談の内容に関し必要な対応をした日
カ 相談の内容に関し必要な対応をした者の氏名
- ⑨ 外部監査の結果を記録した書類(外部監査の措置を講じている監理団体)
・ 外部監査報告書(参考様式第4-12号)
・ 外部監査報告書(同行監査)(参考様式第4-13号)
- ⑩ 外部役員による確認書類(外部監査の措置を講じていない監理団体)
・ 外部役員確認書(参考様式第4-14号)
2.実習実施者が備置くべき帳簿
- ① 技能実習生の管理簿
・ 技能実習生の名簿(最低限の記載事項は次のとおり)
ア 氏名
イ 国籍(国又は地域)
ウ 生年月日
エ 性別
オ 在留資格
カ 在留期間
キ 在留期間の満了日
ク 在留カード番号
ケ 外国人雇用状況届出の届出日
コ 技能実習を実施している認定計画の認定番号
サ 技能実習を実施している認定計画の認定年月日
シ 技能実習を実施している認定計画の技能実習の区分
ス 技能実習を実施している認定計画の技能実習の開始日
セ 技能実習を実施している認定計画の技能実習の終了日
ソ 技能実習を実施している認定計画の変更認定に係る事項(変更の認定年月日、変更事項)
タ 技能実習を実施している認定計画の変更届出に係る事項(変更の届出年月日、変更事項)
チ 既に終了した認定計画に基づき在留していた際の前記オからキまでの事項
ツ 既に終了した認定計画に係る前記ケからタまでの事項
・ 技能実習生の履歴書(参考様式第1-3号)
・ 雇用契約書及び雇用条件書(参考様式第1-14 号)
・ 技能実習生の待遇に係る記載がされた書類
(賃金台帳(労働基準法第108条)等労働関係法令上必要とされる書類の備え付けにより対応可能)
- ② 認定計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-1号)
- ③ 技能実習生に従事させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌(参考様式第4-2号)
- ④ 企業単独型実習実施者にあっては、入国前講習及び入国後講習の実施状況を記録した書類(参考様式第4-3号及び4-4号)
これらの帳簿は技能実習機構や主務大臣が行う立ち入り検査の際にも提示できるようにしておく必要がありますので、必ず作成するようにしてください。